2022.05.06
女性建築士

テーマ:すまいく

地震に強い!! 2×4住宅  🌸後編🌸

基本性能に優れた住宅工法
ツーバイフォー工法の「耐震性」については前編で投稿しましたが、その他にも「耐火性」「耐久性」「省エネ性」などさまざまな性能に優れています。

「耐火性」~強さの秘訣はファイヤーストップ構造~
ツーバイフォー工法は、火の通り道となる床や壁において、枠組材などが、ファイアーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階への火の燃え広がりを防止します。その高い耐火性は、火災保険料率に反映されています。


❶ツーバイフォーの「ファイヤーストップ構造」
ツーバイフォー住宅の場合、火の通り道となる床や壁の内側において、枠組材などがファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。また床根太、枠組材などが一定間隔で組まれている床や壁の内部構造は、防火区画がいくつもつくられているのと同じ状態です。この一つひとつの区画によって火の進行はさらに遅くなります。 火災時に防火被覆(せっこうボード)が万一突破されても、このように2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって、ツーバイフォー住宅は初期消火の可能性が高く、火災時の被害を最小限に抑えます。
❷石こうボードでさらに耐火性アップ
ツーバイフォーでは、すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。 また床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。これによりツーバイフォー住宅の耐火性は、さらに高くなっています。
❸もらい火にも強いツーバイフォー住宅
隣家で火災が発生した場合、外壁の表面温度は800℃以上にも達するといわれますが、ツーバイフォー住宅はもちまえの優れた耐火性で類焼を防ぎます。

「耐久性」~時を越えて住み継がれるツーバイフォーの住まい~
ツーバイフォー工法は、徹底した湿気対策、適切なメンテナンスで、永く暮らせる住まいを実現します。

❶構造用製材には乾燥材を使用
ツーバイフォー住宅では、ほとんどの構造用製材に含水率19%以下の日本農林規格に基づく乾燥材を使用。さらに、さまざまな方法によって万全の湿気対策を行います。湿気や結露への徹底した対策によって、ツーバイフォー住宅は耐久性を確保。永く暮らせる丈夫な住まいを実現します。
❷耐久性の高いくぎ・金物を使用
ツーバイフォー工法では当初から太め鉄丸くぎ(CN釘)を枠材相互及び枠材と面材との緊結のために使用しています。平成19年6月より亜鉛めっき処理された太め鉄丸くぎ(CNZ釘)の使用が認められ、耐久性の向上に役立っています。
また、通常、使用する「Cマーク表示金物」はそのすべてに亜鉛めっきが施されており、防錆効果を高めています。
❸湿気を構造躯体に入れない工夫の数々
結露は室内外の温度差や、温度の急激な変化などによって起こります。とくに壁の内部や小屋裏で発生しやすい結露は、木材の腐朽の原因となるだけでなく、カビの繁殖など、住まいにさまざまな悪影響をおよぼします。
ツーバイフォー住宅は壁内に断熱材が充填されているため、室外と室内の温度差がゆるやかに緩和され、結露が発生しにくい構造となっています。また、小屋裏には軒裏換気、妻換気等を設けるなどして有効な換気方式を採用しています。また、一般的に断熱材の外側(外壁仕上げの内側)に通気層を設け、万一の漏水時の排水のためにも役立っており、耐久性を高めることとなっています。
❹早めの適切なメンテナンスが住まいを長持ちさせます
ツーバイフォー住宅は、高い品質と耐久性に裏付けされた住まいです。しかしながら、建物は雨や風、夏冬の温度変化など自然の厳しい影響を受けています。このような環境のなかで、住まいを美しく保ち快適な生活を維持していくためには、人間の体と同様に、定期的な点検と計画的なメンテナンスが大切です。特に、屋根・外壁の防水、防蟻対策については、建物の耐久性に大きな影響をおよぼすので、日頃から注意を払っておくことが肝要です。ここでは、建物の経過年数に応じた住まいの代表的なチェック項目について掲載しました。各項目のチェック時期は、あくまでも目安です。日常生活のなかで「あれ?」と思われた時点で適切な処置を施すことが大切です。

「省エネ性」~CO2削減に貢献するツーバイフォー住宅~
暖冷房エネルギーのロスを減らすには、建物の隙間をふさぐことで気密性を高めることが重要です。
モノコック構造のツーバイフォー工法はこの点からも優れています。

❶気密施工に向いたツーバイフォー工法
ツーバイフォー工法の特徴である床版・壁を組み立てる方式のため、気密性を確保しやすい工法となっています。

また、外壁室内側のせっこうボードの下側に全面に住宅用プラスチック系防湿フィルムなどを貼ることで、相当隙間面積(C値)を少なくでき、漏気による壁内結露などを防ぐことが出来ます。
❷断熱材の性能を最大限に引き出せる構造体

ツーバイフォー住宅の外壁は、枠組材に構造用面材を貼った大壁構造のために、枠組材の間に空気層をつくります。また、断熱材はその空気層に充填するため施工も容易です。構造体自体を断熱化し易く、気密施工も容易なために建物自体がもともと優れた断熱性・気密性を兼ね備えています。

2×4住宅のオススメ
ツーバイフォー協会のホームページを参照に、2週にわたりツーバイフォー工法の特長について投稿しました。
ツーバイフォー工法が優れた建築工法であることをご理解いただけたでしょうか。
地震大国である日本
今後も大きな地震の予測が取り上げられています。
この記事がマイホームを検討される方の参考になれば…幸いです。